パリ ああ無情

おしゃれじゃないパリの日常

サヴォワ邸

観光地に住んでいると、いつでも行けると思って名所に行かないことってよくあるじゃない? 京都市内出身なのに哲学の道に行ったことがないとか、網走に住んでるけど網走刑務所は入ったことがないとか(あらちょっと違ったかしら)、あるあるだわよね。

私もうん十年パリに住んでるけど、ヴェルサイユ宮殿行ったのは去年だし。サヴォワ邸ってご存じ? 著名な建築家、ル・コルビジェ氏が設計したモダンな邸宅で(1920年代当時)、パリ郊外にあるのよ。

年末の休みとはいえ、南半球に太陽を求めていく予算は無いし、ヨーロッパ近郊にクリスマス時期に行っても店は閉まっているし(日本のお正月と同じよね)、国内は交通ストでしょ、家にこもってたら、あーもうどこか行きたい、ってことになり、じゃあうん十年来行きたいと思って、行かなかったサヴォワ邸に行きましょう、ということになったのよ。

車で一時間ぐらいかしら、それしか売りがないような寂しい町にたどりついたわ。

あれだけヨーロッパのクリスマスは日本のお正月と言っておきながらまたしくじったわ。ネットでは開館となっていたのに12月25日から1月1日まで閉館よ。

門から邸宅を遠目に見て想像をふくらましていたら、あれ、どこかで見たことある、と思ったの。

似て非なるものかもしれないけど、ジャック・タチの『ぼくの伯父さん』の妹か、姉だかのおうちみたいなのよね。

個人的にはおばさんのおうちよりユロ伯父さんのおんぼろペントハウスのほうが好きだわ。

次に来ようと思い立つのは20年後かしら~。


Jaques Tati - Mon Oncle (The house)

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