パリ ああ無情

おしゃれじゃないパリの日常

おこもり生活 48日目 『アメリカの叔父さん』

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アラン・レネ監督の映画、『アメリカの叔父さん』をみたわ。

タイトルの意味は、憧れを持って待ち望む白馬に乗った王子様ってところかしら?

実際本篇にはまったく関係の無い、白馬に乗った王子役のジャン・マレの映像が挿入されていたし。

 

主要人物は庶民出身のアングラ女優に、ブルジョワ階級のお大臣様とその妻、農家出身の繊維会社のサラリーマン。

 

それぞれの幼少期から大人になるまでの背景がナレーションと映像で語られた後、突如始まる三角関係。

好きになって、嫌いになって、元サヤに収まるまでのメロドラマに、レネ的演出で、行動心理学者のマウスを使った実験を通して心理状態、行動の分析がナレーションのようにして被さると言うわけ。

 

イライラしても他人を攻撃できない環境だとその怒りの矛先が自分に向かい、人は自殺もするらしいわ。

昔の職場の上司に確かにそんなことが起きたものだから、ドキッとして。

 

実験的映画だけどもうざくないのよ。

他人(マウス)にはあーしたら良いのにとか思うけど、自分の身に起きた事は冷静な判断が出来なくなると言うことを、重力があると言うことを知ったところで、重力からは逃れられない、と言っていたのが印象的。

植木等風に言えばわかっちゃいるけどやめられない、ってところかしら。

 

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